新感覚荘厳オーラADV『ムダにそうごんっ!!』(通称・シリアス荘厳) 共通シナリオ

655 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/08/03(木) 10:16 ID:tYWQPhb30
男「むっ!? あれは荘厳さん!! ……と、男の人?」

荘厳「――――」
男性「――!」
荘厳「―――??」

男「あ、あの男、荘厳さんと普通に話している!!?」

荘厳「――?」
男性「……――!!!」

男「な、あのヤロウ!! 今殴ったな! 荘厳さんの頭を勢いよくはたいたぞ俺は見た
   あの絶対にして不可侵なる荘厳さんをあの男はこのやろぉぉぉぉぉ!!!」

荘厳「うぅ……痛いですわ」
男性「ったく、馬鹿なこと言うからだ――って、ん?」
男「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
男性「な、なんだぁ?」
男「おいてめぇ!! よくもわれらが女神荘厳さんに手を上げたなぁ!!
  その罪、死を持って償ってもらう!!!」
男性「はぁ……なんだ、また荘厳に魅せられちまった奴か…… おいお前、あまり荘厳に近づかない方がいいぞ。
    そうしないといつかお前も――堕ちる」
男「な、なにを言って――」
荘厳「やめてっ――!!」
男性「……」
男「そ、荘厳……さん」
荘厳「あ、あは。ごめんなさい、大声なんか出して。行きましょう、お兄様。では男様、ごきげんよう」
男「そ、荘厳さん……」

男「――荘厳さんっ!!!」



674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/08/03(木) 11:21 ID:/jDVeO0z0
極普通の一般家庭のリビングのソファに、そこに似つかわしくないような高貴な雰囲気をかもし出す少女と、その兄が隣り合って座っている。
少女、荘厳はただわずかな微笑みを浮かべて、バラエティ番組を映すブラウン管を見ていた。

兄「お前さ、あんまり無駄にオーラを撒き散らすなよ」
唐突にかけられた言葉に、荘厳はブラウン管から兄へと視線を映した。
荘厳「オーラ? 何のことですの?」
兄「…無自覚なんだよなぁ…そこが性質が悪いというか」
荘厳「あの、私なにか粗相を…」
兄「そういうわけじゃない。あんまり人と関わり合いになるなってことだ。特に…あの男とか」
男の名前が出てきたことで、それまで不思議そうな表情を浮かべていた荘厳はにわかにその表情を変えた。
荘厳「!? それは、お兄様に口を出されるようなことではありませんわ!」
珍しく、荘厳が強い口調で言い返す。
それを、兄は痛々しいものを見るように一瞥した。
兄「男のためと、お前のためだ」
兄は感情のこもっていない口調で答えた。
もちろん、荘厳はそんな答えで納得が出来るわけがない。
荘厳「男様の…ため? どういうことですの?」
兄「お前は知らなくてもいい」
荘厳「…もういいですわ。お兄様は、いつもそうやってはぐらかすのですね」
ソファから立ち上がり、リビングを後にする荘厳。兄は、その後を追おうとはしない。
ただ黙って、その翼が生えていてもおかしくない美しい後姿を見送った。
兄「…お前のためだ、荘厳」
呟きは、荘厳に届くことはない。

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735 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/08/03(木) 13:45 ID:/jDVeO0z0

荘厳は孤独だった。
親友どころか、友人と呼べるような人間がいるかどうかすら、自信がない。
ただ黙って座っていても誰も近寄ってこないし、こちらから話しかけても何故かよそよそしい態度をとられてしまうばかりで、会話すら間々ならない。
最初は、自分が嫌われているのかと思った。
だから、誰も私と関わりたくないのだと。
しかしクラスメイトは荘厳の意見には必ず耳を傾けてくれるし、嫌がらせのようなものを受けたこともない。嫌われているわけではないと、すぐにわかった。
そのうち、これが自分のスタンスなんだと、一種のあきらめのように気付いた。
そして今まで、それを崩さずにクラスメイトと一定の距離を保つようにして学校生活を送ってきたのだ。

そんな荘厳は今、その自分のスタンスを崩したいと思っている。
ある1人のクラスメイトと、もっと近づきたいと思っている。
「…はぁ」
知らず、ため息がこぼれた。それは、これまでの自分を壊すことへの恐れと戸惑いのため息だった。
今まで話しかけられることなんて皆無だった自分に、声をかけてくれる人。
遊ぶことを知らない私に、それを教えてくれた人。
彼と、もっと話したい。出かけたい。そう願う自分が、確かに存在する。
しかし、それは同時に恐怖だった。
自分があまりに近づきすぎて、また以前のようによそよそしい態度で距離を置かれてしまうかもしれない。話しかけてくれなくなるかもしれない。
それは恐怖の理由として十分すぎた。



737 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/08/03(木) 13:45 ID:/jDVeO0z0
「荘厳さん?」
物思いにふけっていた荘厳に、不意に声がかけられた。荘厳は一瞬反応に遅れ、戸惑う。
今の今まで考えていたその人が、いつの間にか目の前にいた。
「え…? あ、男様、どうかなさいましたか?」
戸惑いを隠して平静を装ってみたものの、はたして彼には通用しただろうか。
「いや、荘厳さんが元気無さそうに見えたから…悩み事?」
男は笑顔を浮かべながら、荘厳に尋ねた。
やっぱり、優しい人だ。
男の言葉に荘厳の心が揺れる。
ここで、自分の今の悩みを彼に打ち明けてしまおうか。そうすれば、彼ともっと近づけるかもしれない。
しかし荘厳の口から出たのは、心の内とは正反対の台詞だった。

「あら…ありがとうございます。でも、何でもありませんわ」
「いや、でも…」
「本当に、何でもありませんの。クラスの皆さんも私にはよくしてくださるし、悩みなんて持つほうが不思議ですもの」



738 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/08/03(木) 13:46 ID:/jDVeO0z0
あぁ、私はなんて臆病な人間なんだろう。
一気に口にしてしまったあとで、荘厳は自らの弱さに打ちのめされそうだった。
孤独だった。寂しかった。話しかけて欲しかった。遊びに誘って欲しかった。
悩みなんていくらでもあるのに、私は今の状態を守るために、自分にまで嘘をついてしまった。
「では、私はこれで…」
そんな弱い自分を彼の前にさらしていることがいたたまれなくなって、荘厳は席を立つと足早に教室を後にした。
後ろで、男が呼んでいる。

『あんまり、人と関わり合いになるなってことだ』

兄の言葉が脳裏をよぎった。
そんな心配、しなくてもいい。
だって私は、最初から人と深く関わることなんて出来ないんだから。
涙が出そうだった。

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941 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/04(金) 01:52:44.85 ID:MxskLMTK0
 街を歩いていると、見知った男に出くわした。
「よぉ、『彼氏』さん」
 男は片手を挙げ馴れ馴れしく話しかけてきた。
「こんにちは、『お兄様』」
 だから俺も皮肉をこめて返してやる。
「まぁなんだ、立ち話もあれだからな、そこの喫茶店にでも入ろう」
 相変わらず強引な人だ。そんな奴に付き合ういわれはない。
「すいません。俺、用事があるんで」
 俺がそう言って、彼に背中を向けたとき、
「俺の妹をストーキングするのが、お前の言う『用事』か?」
 その言葉に、俺の背筋がびくっと震える。
「俺の妹なら、今から晩飯の買い物だ。一時間は出てこんよ」
 男は相変わらず不機嫌そうなニヤニヤ笑いで俺を見ている。
 俺は、荘厳に似た整った顔にそんな表情を張りつけるこいつが嫌いだった。
「少し、付き合えよ」
「いやです」
 俺は即答した。
 こんな野郎とお茶など、だれだってお断りだろう?
「なんで俺が、お前と妹を引き離そうとしているのか。教えてやるよ」
「…………」
「ハハ、そう睨むな。ホラ、あそこの喫茶店からなら、スーパーに出入りする客がよく見える。
 妹が出てくるまで、少し話そうじゃないか、『ストーカー』さん」



942 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/04(金) 01:53:18.05 ID:MxskLMTK0

 こうして俺は、優雅なしぐさで紅茶をすするニヤニヤ笑いの優男と向かい合ってコーヒーを飲む羽目になった。
 店内はそれなりに込んでいて、ざわざわと騒がしい。多少大きな声で話したところで、回りに咎められることはないだろう。
 二人の間には、沈黙が横たわっていた。
 俺はそれに居心地の悪さを覚え、コーヒーを一口すする。
 甘ったるい。
 砂糖を入れすぎた。
 俺がコーヒーカップをテーブルに戻すと、男は――荘厳の兄は口を開く。
「おまえ、何でウチの妹を付け回る」
「別に、付け回ってなんか、いないですよ」
「こっちはまじめに聞いてんだ。まじめに答えろよ」
 男の眼光が鋭くなる。そんな目で、見るんじゃない。
「どうして、荘厳に付きまとう」
 二度目の、問い。それに俺は――
「…………」
 答え、られない。
「答えられないだろう? それが、理由だ」
 男があざけりの視線を向けた。いや、むしろ、うんざりしたような、呆れたかのような視線。
 やめろ、そんな目で。
「それが、お前が荘厳に魅せられている証拠だ。そして魅せられた者はやがて、荘厳に堕ちる。
 そうなったらお前は、もう荘厳なしでは生きられなくなる。荘厳にただ付き従い、虐げられるだけの奴隷となる」
 だから、なんだというのだ。
 荘厳さんにはそうするだけの価値があり、そして俺は、そうなったって構わない。
 むしろ、そうなりたいくらいだ。
「確かに、それは心地のいいことだろうな。おまえにとっちゃぁ、ずいぶんとうらやましいことじゃないのか? だが、荘厳にとっては、どうだ?」
 俺の視界が、むやみに霞む。



943 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/08/04(金) 01:54:06.52 ID:MxskLMTK0
「荘厳は、そんなことを望んじゃいない。あいつは、飼い主や支配者になんかなりたいなんて、思っちゃいない。
 人間なんてのは、結局自分のことしか考えていないんだ。お前らは荘厳をちやほやして、荘厳のオーラに当てられて、自己満足に浸っているかもしれない。
 だがそれ故に! だれも荘厳の痛みに気づかない!」
 男の顔が、悲しそうに、大きくゆがむ。
 やめろ、そんな顔をするな。荘厳さんの顔で、そんな表情を――
「荘厳は家に帰るとお前の話ばかりする! 楽しそうにお前のことを話す! 自分に自然に接してくれると! うれしそうに!」
 やめろ、やめろ――!! そんな顔で……
 俺は男から、視線をずらせない。
「少なくともなぁ、荘厳は、お前が対等な立場で自分を見てると思ってる! それなのになんだ? お前は!まるっきり荘厳の奴隷じゃねぇか!」
 や……め――
「お前はあまりにも荘厳に魅せられすぎた。いつもはこうなる前に俺が手を打っているのに、俺が気づくころにはもうお前は手遅れだった!」
 そんな……顔、言葉……
「荘厳は! 今はまだ、近くに居すぎてお前がすぐ目の前に立っていることに気づいていない。だがなぁ、あいつが気づくのはもはや時間の問題なんだよ!」
 そんな、ことって……
 俺は……
「それまでに……頼む。あいつの、恋人になってくれ……」
 俺はその言葉に、涙を流し続ける男を、凝視することしかできなかった。

「荘厳……さん」



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/08/04(金) 02:32 ID:MxskLMTK0

「……荘厳が、そろそろ出てくる時間だ。行くぞ」
「………」
 俺はただ無言で、男の後に続くことしかできなかった。
「奢りだ、先でてろ」
 俺は、何も言えない。ただ促されるままに喫茶店から出る。
 空はうっすらと赤くなり、夕暮れが近いことを告げている。
 俺は、どうすればいいのだろうか。
 心の内で、自らに問う。しかし、問うまでもない。
 そんなのは、決まっている。
 荘厳さんから、距離を置くのだ。
 もし荘厳さんが俺の位置に気づいたら、きっと傷つく。
 俺の所為で、傷を負う。
 そんなこと、俺には耐え切れない。
 そして、同時に、彼女の恋人になることも、俺にはできない。
 確かに荘厳さんのことは嫌いではない。
 いや、そんな言い方は止めよう。
 俺は荘厳さんが好きだ。
 しかし、もし俺が荘厳さんの恋人になれたらと思うと――そんなこと、想像できない。
 畏れ多いと、思ってしまう。 
 こう思ってしまう時点で、俺は恋人失格だ。
 どうしても彼女を上位の存在として見てしまう。
 彼女をたかくたかく祭り上げ、降りられないようにしてしまう。
 そんな俺に、彼女の近くに居る資格は無い。
 だから、距離をとる。
 それが最も利口で、誰もが幸せになれる唯一の方法。
 たった一つの、冴えないやりかた。
 仕様が無いのだ。俺はただの、荘厳さんのオーラに呑まれた、一人の――
「男さんっ!」



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/08/04(金) 02:33 ID:MxskLMTK0
 その声に、俺はぱっと顔を上げる。
 間違えるはずも無い。紛れも無い、彼女の声。
「こんなところで、偶然ですねっ」
 嬉しそうに、微笑むな。
 俺を見て、そんな風に――
「男さん?」
 心配そうに、彼女は俺の顔を覗き込んでくる。
 それから逃げるように、俺は慌てて言葉を紡ぐ。
「なんでもない」
 意識して、淡白な風にしゃべれたはずだ。
 しかしそのそっけない言葉に、心が痛む。
「そ、そうですの? なんだか元気が無いように見えましたので」
「なんでもない。俺はいつも通りだよ」
 痛みを、顔に出さないように努力する。
 それでも、拳が震える。
「ならいいんですが……あ、そうだ! もしよろしければ、今夜の夕食ご一緒してくださらない? 今日はハンバーグですのよ? 妹が大好きなんですの、ハンバーグ」
 魅力的なお誘いだ。
 いつもの俺ならば、初めこそ躊躇するが、絶対についていくことだろう。
 だが今は、違う。
 もう、距離を知ってしまったから。
「悪いけど、今日はちょっと……」
「あっ…… そう、ですの…………」
 やめてくれ、そんな顔で……俺を――何も兄妹そろってそんな顔をしなくても。
「悪い、な……それじゃ」
 軽く手を上げ、踵を返すと、足早にその場を去る。
 これ以上ここに居ることに、俺は耐えられなかった。
「まっ―― 男さん!!!」
 
 背中に、声が刺さった。
 俺は聞こえない振りをした。


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358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/08/05(土) 05:45 ID:oyqAoFYg0

リビングでは、兄がただ何をするでもなく座っていた。
ここのところ、妹である荘厳とは会話を交わしていない。
原因はわかっていた。あの、男とのやり取り。
あれ以来、荘厳の口から男の名前が出ることが少なくなった。
名前が出てきたときでも、話しかけてくれなかった。態度がよそよそしかった、というマイナスの報告を伴っていた。
きっと荘厳は気付いている。その理由が、兄の自分であることを。
重苦しいため息が漏れるのと、ガチャリと音を立ててリビングのドアが開いたのは、ほぼ同時だった。
兄が肩越しにそちらに視線を向ける。荘厳が兄を睨みつけるように見つめていた。
荘厳「…お兄様、男様に何を言いましたの?」
いよいよ、きた。
いつかは聞かれると思っていた質問。しかし、いざ実際にその場面になると、さすがに動揺した。
兄「……間違ったことは何も言ってない。ただ事実を告げただけだ」
声が震えていなかっただろうか。
荘厳のオーラは兄にまで影響を及ぼすものではない。
しかし、その完璧な美しさを湛えた表情に浮かぶ、悲しみ、憂愁、そして怒りは、圧倒的な威圧感を見るものに感じさせた。
荘厳「…やっぱり、お兄様のせいだったのですね。男様が…私にあんなことを言われたのは」
兄「な……あいつ、お前に何を言いやがった!!」
兄は思わずソファから立ち上がる。荘厳と、正面から向き合う形になった。
荘厳「…『もう俺には話しかけるな』、と」
兄「…あの野郎、よくもぬけぬけとそんなことを…」
拳を握り締めた兄に、荘厳はキッと鋭い視線を向けた。
射ぬかんばかりの、怒りを含んだ強い視線。
荘厳「男様を悪く言うのはやめてください!! 元はといえば、お兄様が男様に何か言ったのが原因なのでしょう!?」
兄「俺はお前のために、男の意思を確認しただけだ!」
荘厳「男様との関係は、お兄様に口出しされるようなものではないと言ったはずです!!」



359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/08/05(土) 05:46 ID:oyqAoFYg0
荘厳が言い切ると同時に、リビングを静寂が包んだ。
初めてかもしれない。兄弟で、お互いにここまで感情的な言い争いをしたのは。
荘厳はいつでも一歩下がった位置にいて、自らの我を通すことは少なかったから。
荘厳「……私、知っていました。男様が、どのような気持ちで私に接していらっしゃるのか」
これまでとはうってかわった、静かな口調だった。
今にも泣き出しそうな小さな声で、荘厳は言葉をつむぐ。
荘厳「でも、私はそれでも良かった」
兄「!! …お前……」
兄の肩がびくりと震えた。荘厳の口から出た言葉が、信じられないという表情だった。
荘厳「男様が側にいてくだされば、それで良かった。対等じゃなくても、男様が私の側から離れられなくなるなら、それでも…」
兄「やめろ!!!!」
これまでにない、強い口調。
怒りとも悲しみともつかない、歪んだ表情で兄は叫んだ。
荘厳「!!!」
兄「男を不幸にしてもいいのか!? 男だけじゃない、お前だって傷つくだけだ!!」
荘厳「…私は、男様が側にいれば幸せでしたわ!!」
兄「そう思い込もうとしていただけだ!!」
荘厳「!」
荘厳は押し黙る。
沈黙。2人を押しつぶさんばかりの、重苦しい沈黙だった。
喘ぐように呼吸をした後、口を開いたのは兄だった。
兄「……お前は、男を墜としてまで幸せになれるような、強い人間じゃないだろ」
荘厳「……」
荘厳は何も言わない。
兄「墜として、縛り付けて、それを幸せだっていえるような、酷い人間じゃないだろ」
荘厳「…それでも、私は……」
荘厳は、それ以上言葉を続けることが出来なかった。崩れ落ちるように、床に座り込んだ。
顔を手で覆い、声もなく泣き続けた。
兄「…荘厳…」
兄もそれ以上、何も言えなかった。ただ一言名前を呼んで、静かにリビングを後にした。
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by SouGons | 2006-08-06 20:34 | 荘厳さん


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